おんつじの資産育成記~投資信託と米国株で楽にお金を育てる

インデックス投資と米国株の記録。流れに身を任せてお金を増やす。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)や楽天VTのデメリット

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がリリースされて約1ヶ月。これ一本で日本を含む世界中に分散投資ができるインデックスファンドです。

 

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11月31日時点で純資産は3億円を突破したようです。

世界分散投資の決定版のようなファンドのように思えます。

ですが、同じように世界中の国に分散投資する「楽天・全世界株式(楽天VT)」を積み立てていた私は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)や楽天VTにある種の不便さを感じてしまいます。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)に何を期待するのか

低コストなインデックスファンドが数多く販売されるようになった今、人気があるのは次の2つのタイプだと思います。

      ◆アメリカのみに投資するファンド

  例)楽天・全米株式インデックス(楽天VTI)、eMAXIS Slim米国株式

 

  ◆アメリカを中心とした先進国のみに投資するファンド

  例)eMAXIS Slim先進国株式、ニッセイ外国株式

 

では、これらのファンドよりも「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VT」を選ぶ理由は何でしょうか。

 

 ①とりあえずインデックス投資を始めたい

 「インデックス投資始めたいな。でも何を買うのか考えるのは面倒だよ。」

 

 ②世界経済全体の成長に期待したい

 「中国やインドとかこれから発展するし、世界中の国に投資しておけば利益がでるよね。」

 

 ③リスクを分散させたい

 「特定の国に集中投資すると何かあった時が不安。もっとリスクを分散させたい。」

 

こだわりが①だけであれば「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は正解だと思います。これを買えば勝手に世界中の国に投資できますしね。

将来の利益の大きさ・小ささにこだわる程、投資に時間をかけたくない人には良い商品だと思います。

 

問題なのは②のように利益を大きくしたい人、③のようにリスク分散をしたい人にとって良いファンドなのかということです。

最初は何となく投資を始めた①のような人でも、投資を続けていると気になり始めると思います。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の投資対象国は投資効率が良いのだろうか。

 eMAXIS Slim全世界株式や楽天VTの投資効果を考える際に重要なのは国別の構成比率ですね。

 

 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)が採用する指数は「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)」です。

これは23ヵ国の先進国と24ヵ国の新興国の株式で構成されます。

現在の国別構成比率は以下のようになっています。同じようにACWIをベンチマークとする「iShares MSCI ACWI ETF」のデータから引用します。

 

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世界経済の中心であるアメリカが半分以上を占めています。アメリカの株価の影響を最も大きく受けることになります。

「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VT」に投資する意味を考えるには以下の2つが重要になります。

 

 【利益を期待したい場合】

 アメリカ以外の国の株価上昇率がアメリカを上回るのか(いつ上回るのか)

 ⇒アメリカの株価を他国の株価上昇率が上回る時が来ないのであれば「eMAXIS Slim米国株式」や「楽天VTI」を買った方がいいことになります。

 

 【リスクを分散させたい場合】

  アメリカの株価が下がっている時、他国の下落幅は小さいのか

 ⇒アメリカの株価が下がっている時、同じように他の国も株価が下落するならリスク分散の効果はあまり無いことになります。

 

この2点が過去に実現できているのかを調べてみました。

株価の上昇率 全世界 vs アメリカ 

 eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の採用指数であるACWIと連動する「ishares MSCI ACWI ETF」と米国のS&P500と連動する「ishares Core S&P500 ETF(IVV)」の株価の推移を比較します。

 

■過去10年間のACWIとIVVの比較チャート

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10年間でS&P500(黄色)は100%以上上昇。ACWI(赤色)は35%程度の上昇です。

グラフ左端の下落はリーマンショックですが、下げ幅はどちらも大して変わりません。

 

私はこれを見てACWIやVTを持つ意味に疑問を持ってしまいました。

この結果から前述した 

 ②世界経済全体の成長に期待したい

 ③リスクを分散させたい

という期待に「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」や「楽天VT」が答えられるのかを考えました。

 

世界経済の成長を享受できるのはいつなのか

1年単位で見るとはACWIがS&P500のパフォーマンスを上回る時期もあります。例えば2017年です。

これは新興国の調子がよかったからです。新興国のみに投資するETFであるVWOのチャートを見ると一目瞭然です。

 

■2017年のACWI、IVV、VWOのチャート

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一番上のグラフがVWO、次がACWI、一番下がIVVです。新興国の株価上昇がACWIのパフォーマンスを引き上げています。

 

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の10%は新興国です。

他のインデックスファンドより高パフォーマンスを出すには新興国の成長が欠かせないです。

 

ですが、新興国の株価は右肩上がりに上昇するわけではありません。少なくとも過去は上がっていないです。

 

■VWOの長期チャート

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VWOの2005年からのチャートです。一定範囲を揉みあっていますね。

新興国が継続的に「eMAXIS Slim全世界株式」や「楽天VT」のパフォーマンスを押し上げるのは難しそうです。

チャートの前半に見えるように爆上げするときもありますが、その逆もありそうです。

 

世界経済が好調な時はアメリカの株価も上昇します。さらにアメリカの株価は過去を振り返ると基本的には右肩上がりに上昇を続けています。

なら、わざわざ新興国の不安定な株価を取り込む「eMAXIS Slim全世界株式」を選ぶ必要はないのでは?と言うのが感想です。

 

「いやいや。それでもいつか来る新興国の成長に期待するべきでしょう。」

と言うケースもあると思います。

確かに中国やインドは将来的にGDPでアメリカを追い抜くとの予測もあります。いつか先進国を超えた成長を見せつける時代が来るかもしれません。

 

ただ、その発展がその国の株価時価総額に反映されるのはいつになるのかが分からないです。

新興国の中には今後も人口が増加し続ける国があるので、経済規模は当然大きくなるのでしょう。

でも、「eMAXIS Slim全世界株式」の価格が上がるのは新興国のGDPが大きくなったり、経済が豊かになった時ではないと思います。新興国の企業の株価がアメリカ企業の株価の上昇率を上回った時です。

 

その時代が来るのはいつなんでしょうね。GDPや経済成長がすぐに株価に連動すればいいですけど、今もそんな事にはなっていないですし。 

私はいつ来るか分からない未来に期待するより、現在進行形で発展している米国の株価上昇の恩恵を受けたいです。ずっと資産が低迷していると心が折れちゃいそうですから。

 

今後新興国の株が上がる時もいつか来ると思うので、新興国を全く保有しないのも勿体ないとは思っています。

なので、私も新興国のインデックスファンドは積み立てています。ただ、VTやACWIより少なめの比率になるように調整しています。

国際分散投資はリスク分散のためではない

もう一つのリスク分散について考えてみます。

世界中のお金や商品が世界各国を流れる今、各国の株価の連動性は非常に高くなっています。アメリカの株価が下がれば世界中の株価が影響を受けますし、逆にヨーロッパや新興国の株価下落がアメリカの株価を下げるケースも多いですよね。

 

ではアメリカ以外の国の株価がアメリカの株価下落を和らげるクッションに、リスクヘッジになるのでしょうか?

 

■2018年10-11月の株安時のチャート

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これは今年10-11月の株安時のIVV,ACWIのチャートです。濃い青がACWIです。アメリカが下がる時はACWIも同じくらい下がりますね。

 

■リーマンショック時のチャート

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これはリーマンショック時のチャートです。

むしろACWIの方が下落率がでかい気がします。。

アメリカの株価下落は世界中に波及してしまうので、他の国のインデックスファンドを持ってても資産を防衛してくれる可能性は低いです。一蓮托生になる可能性が高い。 

 

私は株式を国際分散投資しても大したリスク分散にはならないと考えています。

リスクを分散させたいなら、資産の何割かを現金、債券、不動産等の別の値動きをするものにするべきでしょう。

 

国際分散投資の目的はリスク分散ではなく、世界経済全体の成長を取り込むことにあると思います。

なので、eMAXIS Slim全世界株式や楽天VTが 世界経済全体の成長を取り込むのに効率が良いファンドなのかが気になります。

 eMAXIS Slim全世界株式や楽天VTが取り込むリスク

eMAXIS Slim全世界株式や楽天VTのような世界中に投資するファンドは受ける利益より、勝手に取り込まれるリスクの方が大きいんじゃないかと思うんですよね。

 

貿易摩擦や知的財産の件でアメリカに喧嘩吹っかけられる中国はACWIの3~4%を占めます。ACWIの構成比率2位の日本やお隣の韓国は高齢化社会まっしぐらですし。ヨーロッパはEUが今後もうまく回るのか不安じゃないですか?

 

もちろん未来はどうなるか分かりません。アメリカ企業の株価を他国の企業が追い抜くかもしれません。でも、追い抜くときが来ないかもしれません。だって、未来はどうなるか分かりませんから。

未来が分からないから、株価が右肩上がりで上昇を続ける実績を持つアメリカを中心に投資した方が安心だと思います。

新興国を始めとした他の国の株式は未来の成長を期待してサブ扱いで持っていたいです。

それを考えると「eMAXIS Slim全世界株式」のアメリカの比率55%は私にとっては低すぎます。

 

まとめ~世界中に「分散投資されてしまう」ことをメリットと思えるか

「eMAXIS Slim全世界株式」も「楽天VT」も投資効率やリスクヘッジを考えたい人にとっては不便なファンドだと思います。

その時の株式の時価総額によって勝手に色々な国に分散投資されてしまいますからね。

 

私にとっては

 「世界中に分散投資できる」

ではなく

 「魅力のない国にも自動的に分散投資されてしまう」

と言う側面が強い気がしています。

 

この「自動的に」の部分が曲者ですね。

先に述べた通り、今現在の世界経済の中心であるアメリカが50%程度に抑えられてしまうわけですから。なかなか利益が出ないという結果になりかねません。

 

近い将来、米国株が不調になって他国の株価が急騰する可能性もありますから、国際分散投資は必要だとは思いますが、当面はアメリカがメインでいいと考えています。

だから私は楽天VTIと先進国、新興国に投資するインデックスファンドを個別に買って、アメリカの比率が70%を超えるように調整しています。

楽天VTはこの辺りの調整がめんどくさくなるので積み立てをやめました。

 

最初に書いた通り、投資効率を考えるほど投資に時間をかける気もなく、自分でリバランスするのが面倒な場合には「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は良い商品でしょう。

このファンドのメリットは「リバランスの手間を省く」と言う点にあると思いますから。

もしくは、「楽天VTI」や「eMAXIS Slim米国株式」をメインにして、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」はサブ扱いで持っておけば、利益もそこそこ出るし、国際分散投資もできるのではないのでしょうか。調子が良いアメリカの比率を高める工夫をしておいた方がいいと思います。 

 

こんな感じで自分で考え抜いてポートフォリオを作りたい場合は不向きなファンドだと思いますね。

自分が実行したい投資スタイルに合うか合わないかってことが大切だと思いました。

 

 

アメリカと全世界への投資。最新のパフォーマンスをこちらの記事で掲載しています。参考になれば幸いです。

今最も成績が良いインデックスファンドは米国のみに投資するタイプです。各ファンドのポートフォリオ、実質コスト、パフォーマンスを比較しました。

米国を含めた先進国だけに投資するインデックスファンドの最新データです。楽天VTとのパフォーマンス比較も載せています。

こちらは新興国だけに投資するインデックスファンドの最新データです。このタイプのファンドをオールカントリや楽天VTより少なめの割合で積み立てるのもありだと思います。

www.ontsuji.net

 

 

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